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【感想】海外ドラマ『ブラック・ミラー シーズン1-1「国歌」』

ブラックミラー シーズン1

ブラック・ミラーは、ネットフリックスのみで見られる「海外ドラマ」です。 『「ブラック・ミラー シーズン1の1話「国歌」』の感想になります。一話完結なのが良いです。

イギリス(だよね?)の姫が誘拐された。姫の釈放の条件は首相が「豚と行為」をし(ぼかした表現にしています)、テレビで生中継すること。

「究極な選択」系の物語ですね。
まず、条件を出して、それに応えるかどうかを、追っていく物語。
この物語は、いきなりその要求に応えなければならない、というわけではなく、時間的余裕が多少あります。
その時間的余裕の中で、首相の葛藤、首相とその周りの人たちの行動、報道の人たちや、どうなるか経過を見守る大多数の人々を描写していきます。

人の、しかも人気のある姫の命がかかっているとなれば、救うのは絶対です。
しかし、救うためには、首相が屈辱的なことをするか、規定の時間までに姫の居場所を見つけて救出するか、しなくてはなりません。

目的は「姫を救う」こと。目的がはっきりしている物語は集中して見ていられますね。ある程度オチが見えるところも、視聴者に安心感を与えています。
こういうドラマの評価は、最初に想像されたであろうオチを見せた後、もうひとオチあるかで決まる部分もあります(必ずしもそうではありませんが)。

「選択」するということにフォーカスして、感想を書いていこうと思います。

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選択するということ

人間は日々選択しています。意識していなくても、選択しているのです。
例えば、朝、出勤、通学などをするとき歩いて目的地にいくでしょう。もしくは、自動車などに乗る人もいるでしょう。
しかし、逆立ちしていく人はいないと思います。

逆立ちはある程度力がないとできませんので、そもそも現実的に無理だという人が大多数だと思いますが、「今日は逆立ちで会社に行ってみようかな」と一瞬でも考えることすらないと思います。

私たちが行動するとき、無数の選択肢が消えて、たったひとつのその行為が選択されます。行動は選択によって選ばれます。

国家が「足の裏を地面につけてはいけない」という法律を作ったとしたら、大多数の人がまず「手で歩く(表現が変ですが)」ことを考えるのではないでしょうか。
だけれども、それだけが答えではありません。思いつかないだけで、他にも選択肢はあるはずです。そこで、理にかなっていて、誰も思いつかないようなアイディアを発想できる人は「儲ける」ことができるのだと思います。もしくは「国家」に睨まれて、捕まってしまうかもしれませんが。

「国歌」の物語のことを言っているわけではありませんが、選択を迫られた時、その答えを要求されたことに即していないながらも、視聴者に「なるほど」と思わせたら、それはきっと面白い物語になるのではないかなと思います。

選択という点から見た物語の感想

開始5分もせず「豚と行為しろ、さもなくば姫を殺す」という要求はインパクトがあって、視聴者を惹きつけ、先を見たくさせます。
首相が人の命がかかっているとはいえ「屈辱的行為」を行うという選択をするのか、どうか、気になるのです。

私は「そんなことしたら、この先首相としてやっていけるのか」「首相の子供はバカにされそうだな」「妻はどう思う」などを頭にめぐらせました。人生経験が豊かな人であれば、「屈辱的行為」を行ったら、首相の今後の人生についての破滅的なことを私よりずっと多くを思い巡らすとことができるでしょう。想像できれば、できるほど、選択の重みを感じることができます。

もちろん「英雄的行為」と讃えられるということも想像できますが、私はマイナス面ばかりを考えていました。
劇中でプラス面の評価があることが示唆されて、「そういう風に思われる可能性もあるのか」と思いました。
人はマイナスの方をより強く考えてしまうのでしょうか? それとも私だけでしょうか? そこらへんはわかりませんが、劇中で示唆されると、その体験がない人でも想像できるようになります。
劇中であまり、マイナス面の示唆はなかったです。

「映像に映されたものだけを信じればいい」という意見もあるでしょう。正しい面もあり、私のように余計なことを考えていると物語の筋を見失うことがあります。
しかし、当然のこととして描かないこともあるので、物語鑑賞においての楽しみ方として、ここら辺は難しいところです。

首相が行はなくていけない選択がインパクトがありすぎますが、物語の中では無数の人が選択をしています。情報が欲しい新聞記者や、首相を守るために首相に隠れて行動する首相の側近たち、政府に禁止されているのに情報を得ていく人々たち。

中には危機に陥る選択もあり、「誘拐された姫を救う」という大きな物語に彩りを与えていました。

最後まで見て(ネタバレします)

物語は面白く見ました。
今までであれば、政府の力で隠せたことがSNSで拡散されて、隠せなくなるのは現代的なテーマですね。

首相は行為に及びます。首相の行為の中継をを見ている人たちの映像は自分が見ているような感覚にさせて、「そんな時自分はどう思うだろう」と考えました。

実は、約束された時間の前に人質は解放されていました。皆、中継に夢中で外には誰もいなく、道で倒れた姫に気づかなかったのです。
首相の行為は全くの無駄だった、この皮肉な描写は考えさせられます。
この事件から一年後、首相(まだ首相を続けていた)は外では妻と仲の良いところを見せていますが、内ではもう妻は夫への愛情を無くしていました。行為直後、心配していた妻の電話に出なかったせいでしょうか(首相はトイレで吐いていて仕方ないとも思いますが)、それとも豚と行為した夫を軽蔑しているのでしょうか。

軽蔑しているとしたら、これも皮肉です、外では英雄、内では軽蔑の対象。

犯人の目的がよくわかりませんでした。犯人は芸術家だったので、「犯罪を芸術」としていたのか(劇中のニュースでもそのようなことを示唆します)。そこらへんはスッキリしませんでした。

あと、タイトルの意味も「国家」ならわかるのですが、なぜ「国歌」なのでしょう。

翻訳間違いかと思ったけれど(原題は「The National Anthem」)、やはり「国歌」のようです。
吹き替えで見たからわからなかったのかな〜。

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