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【感想】映画『アトミック・ブロンド』純粋な暴力描写が痛くて、凄い!

アトミックブロンド

描画時間:3時間57分

「痛い」と思わせる映画。圧巻の激しい格闘。暴力描写。
主人公はMI6の女スパイ、ローレン・ブロートン(シャリーズ・セロン)。
スパイが陰謀の駒となって頭を使い、作戦を遂行する作品でなく、スパイがとにかく派手に動いて状況を進める作品。公式サイトでも言っているように、「007」に近い映画。
アクション描写だが、銃は持っているし銃撃戦も行うのだが、肉弾戦の印象の方が大きい。その肉弾戦はSFX(具体的にはスロー撮影とか)などを使わず、全体の動きを遠くから撮影している。肉弾戦の間は動いているところを中心に撮影しているので、胸から上くらいのカット(殴る場面とか)はあっても、極端なアップはなかった気がする。もう一度見ないとわからないが、カット割自体がなかった、もしくは少なかったかも。
アップなど、動きがないカットがないので動きを停滞させないせいだろうか、映画の時間の流れが現実の時間の流れと同じになっている気がした。その分、見ている人に休む間を与えないので、予想させることを阻害しているのだと思う。先の予想を考えさせないので、それによって起こる期待からの「緊張感を高める効果」を薄めている。
そのような効果を狙えばエンターテイメントとして面白くなると思うが、そうすると映画と視聴者の距離が遠くなり、「リアル」さが伝わらず、嘘っぽくなると監督(デヴィッド・リーチ)が判断したのだろう。リアルといっても、主人公は一人で何人もの男を倒すのだが。
生身の人間なのに超人的にブロートンは強い、強すぎて「緊張感を高める効果」ある撮り方をしたら、コミック的になるのを危惧したのかもしれない。

このような内容のことは言っていなかったが、昔、作家の佐藤亜紀さんの明大の講義を聞いた時のことを思い出した。映画での暴力表現の歴史を話していた。この映画、その歴史の中では初期の映画の例に近い気がする。

先々月に見た、『ワンダーウーマン』との戦闘場面と比べてたら、面白いかもしれない。こちらは緊張感あった。
先々週に見た、『アウトレイジ 最終章』はほぼ全編、この映画の戦闘場面みたいに引いて撮っていたような気がする。そうすると、視聴者が物語に感情移入することを阻むね。それが全く悪いとは思わないけど。
しかし、感情移入を許さず自分ごととして、見れないのに、それがリアルというのはどういうことなのだろうか? 実際に目の前で起こっていることを当事者でなく他者として眺めている方がリアルに感じるのだろうか。

戦闘場面を見ているときは「漫然と戦っているな」「でも、痛いな」などと思って見ていたが、こうやって思い出すと「緊張感を高める効果」がある撮り方をしていたら、何の印象にも残らない映画になっていたのかもしれない。

カーチェイスの場面はメリハリがあって緊張感を感じたのだが、運転場面で一部アップなどがあったからだったのだろう。楽しんだと言えば、カーチェイスの場面の方がアクションとしては楽しめた。

相変わらず、公式サイトのあらすじを見なかったので、最初登場人物の名前から誰が誰かを理解するのが大変だった。
物語は回想で進むのだが、回想でブロートンの行動理由をおおまかに教えてくれるのだが、細かくはわからず、「何をしているのだ」と考えながら、見ていたので物語を追うのが大変だった。
どっちかというと、細かい物語は気にせず、「すごい格好いい女スパイ」の魅力ある行動を追うというのが、正しい見方なのだと思う。
そして、私はそうやって見て楽しんだ。最後は「ああ、そういうことね」ってオチもあって、物語的にも「わかりにくい」なと思っていたことを、帳消しにしてしまった。終わりよければ、全てよしってことかな。

主人公の魅力で物語を引っ張るというのは、たぶんにコミック的だなと思う。だからこそ上述した撮り方をしたのかも。コミック的と思わせないために。

単純に肉弾戦の描写は「すごい」と思ってしまけどね。相当、身体鍛えないとあんな動き無理だろうしね。後、縦横無尽にそこにあるものを利用しているのもいい。冷蔵庫のドアとか利用して攻撃する。

バックに流れるBGMは80年代の音楽。一部聞いたことがない曲もあった。すごく格好いい音楽なのに、一部の曲(ロック調の曲。どれもロックか?)だが古さは感じてしまった。音楽のことなんて全然知らないのに不思議だ。

主人公の女優の方は背が高くて、格好いいです。目の下まで黒く塗る化粧は私は好きだな。

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『アトミック・ブロンド』物語作りに役立つところ

物語作りに役立つところは、いわゆる「マクガフィン(何かしらの物語を構成する上で、登場人物への動機付けや話を進めるために用いられる、仕掛けのひとつ)」がわかりやすいところ。この物語でのマクガフィンは、主人公たちが探す「リスト」だ。
リストは、西側のスパイのリストであり、東側KGBに渡ったら情勢は東側有利に傾く、と思われている。実際にスパイの正体だけで時代の流れを変えられるかというと、疑問もあるが、そう思わせる説得力はある。

マクガフィンは物語、ひいては映画に出てくる人物たちを動かせれば何でもいいのだ。もちろん作品のテーマ自体が、物語の推進力になっている場合なら「何でもいい」というわけではないが。この映画のテーマは、おそらく「魅力ある主人公を見せること」だろうから、「テーマが物語の推進力になっている」には該当しない。

何でもいいと言っても、条件はある。登場人物たちが動くにふさわしい、説得力がある「物」「事」であることだ。この物語なら、「リスト」が流出すれば、情勢が変わるかもしれない、という説得力がある。だから別に「リスト」ではなくて、「小型核爆弾の設計図」とか、「米国大統領のスキャンダルの情報」とかでもいいわけである。
「小型核爆弾の設計図」はちょっとリアリティがないし、「米国大統領のスキャンダルの情報」は実際の歴史を題材にしている物語だと難しいそうだけど(実際にそんなスキャンダルがなければいけないしね。これが、江戸時代の話とかなら、でっち上げもできるだろうけど)。

「リスト」の正体が、実はブロートンの上司の矮小な醜聞だったという展開でもいい(実際の映画の物語と関係ないです)。リストが「ある」か「ないか」すら、問題ではないのである。要は、人物たちが動くきっかけになればいいのだ。

動くきっかけさえ与えてしまえば、人物に魅力なら「人物が勝手に動き、物語をつぐむ」ということもありうるのである。

『アトミック・ブロンド』物語のあらすじ

冷戦が終わる少し前(現実とは少し、歴史が違うのかも)。東ドイツ。物語は、ある男の逃走、そしてその男が殺される場面から始まる。
殺された男はMI6のエージェント。手には、西側のスパイの正体がわかるリストを持っていた(時計に埋め込んでいる、こういう小道具を使っているのは素敵である)。
MI6の女スパイ、ローレン・ブロートンは、上司からある任務を与えられる。リストの奪還、そしてその経過の中で「サッチェル」というスパイに会ったら殺すこと。サッチェルの正体は誰にも不明らしい。サッチェルはMI6に属しながら、ソ連のKGBに協力している二重スパイ。ブロートンは上司に「誰も信用するな」と言われる。

ベルリンに向かったブロートンは、ベルリンに潜入中のエージェント、デビィッド・パーシヴァル(ジェームズ・マカヴォイ)と協力し、ことに当たるのだが、パーシヴァルはあまり協力的でない。

リストの探索、そして「サッチェル」とは誰か? を探る物語。

『アトミック・ブロンド』まとめ:物語の構造

回想で物語を語る。だからブロートンがどんなに危機でも、彼女が死ぬことはない。戦闘場面で緊張感を強く感じなかったのもそれもあるのかもしれない。ただ、カーチェイスでは緊張感を感じたので、やはり大きいのは演出上の問題だと思う。

回想する物語は、ブロートンがベルリンへ行き、リストを奪うまでの話。この後にKGBとのいざこざがある。
回想するたびにブロートンが重要と判断した出来事が映像として、流れる。

一連の回想は、繋がってはいるが、断片的でもある。あまり起承転結的な物語の描き方ではない。
私がよく分からないと言ってる部分も、歴史を知る人にはわかるようなことなのかもしれない。こういう、歴史的な常識を説明しない描き方は嫌いではない。物語の細かい筋がわからなくても、ブロートンの行動を見ているだけで楽しかったりする。

「氷のお風呂」に入る部分で、人物を立たせていると書いたが、それをきっかけとして、ブロンートンの行動を見たいと思わせて、それが映画を飽きさせない推進力となっている。もちろん「氷のお風呂」効果は前半だけで、持続して、視聴者を飽きさせないためには、ブロートンを魅力ある人物として描かなければならないが、その戦闘の強さから魅力がでる。

ゆるい時間の連続性と、人物の魅力で成り立たせている映画。

宣伝でクイーンの「キラークイーン」を散々流していたのに、本編では流れてなかったような気がする。後、公式サイトの特報で出てくる格好いい台詞「いつかわたしは殺される」「でも今日じゃない」という台詞も出てこなかった、期待していたのにー。
一番の不満はそこだ。

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