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【感想】海外ドラマ『ブラック・ミラー シーズン1-3「人生の軌跡のすべて」』テクノロジーに振り回される人間

ブラックミラー シーズン1

「メールが遅いな」なんて思ったことはないでしょうか?

携帯電話は人間の思考を一変させました。
例えば、恋愛。「連絡の多さや、メールの返信の速さ」が愛の計りになります。それは恋愛についてでだけでなく、交友関係についての全てに対していえるかもしれません。
「メールの返信が遅かった」という理由で起こる犯罪もあります。
連絡手段が固定電話だけだった時代にも、「連絡が遅い」という理由で生まれた犯罪はあったかもしれません(携帯普及前の時代はわたしは幼かったので、深くは知りません)が、今の時代よりは少なかったと思います。
連絡を常に確認していることを期待される携帯電話と、常時所持することができず即座に連絡を返せない固定電話とでは、相手からの連絡に対する期待値がまるで違います。
テクノロジーが「連絡」についての考え方を変えたのです。

「時は近未来、自分の記憶をすべて録画再生できるチップを体に埋め込み、他人との交流にも利用する人々。しかし過去の思い出がもたらす悲劇とは…?」

ネットフリックス作品エピソードから、『ブラック・ミラー シーズン1-3「人生の軌跡のすべて」』のあらすじを引用しました。

「自分の記憶をすべて録画再生できるチップ」。現実世界にはないテクノロジーですね(わたしは、このように「今の時代にない考え方や、デバイス」が、もしあったらどのようなことになるのだろうか? という作品を鑑賞すると、「これぞSFにしかできないことだ」と思ってしまいます。)。
「自分の記憶をすべて録画再生できるチップ」このテクノロジーもまた、現実世界の携帯電話と同じように、人間の思考を一変させました。

テクノロジーという外部からの刺激で、人間の内部(考え方)など簡単に変化してしまうのです。テクノロジーにわたしたちは振り回されてしまいます。

本編の内容に踏み込んだ文章を書いています。ぜひ先に『ブラック・ミラー』シーズン1-3「人生の軌跡のすべて」を鑑賞してください。その上で再び、ブログを見に戻ってきていただいたら非常に嬉しいです。

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目次

『ブラック・ミラー シーズン1-3「人生の軌跡のすべて」』テクノロジーに振り回される人間

ブログのタイトルはわたしが物語のテーマと考えるものです。
なぜそういう風に考えるかに至ったかを3項目にわけ、物語の展開から解説しています。
最後にこの物語から考えたことをまとめています。

映像記憶が他者の心を動かす

外部に出力できる映像記憶

このドラマの世界では、自らの記憶を映像としてデバイスに出力できます。うなじあたりに埋め込むチップが、その役割を果たします。記憶は記録として永遠に残っているようです(チップに容量はあるようですが)。
いったいどういう仕組みなんでしょう? 眼の構造ってビデオカメラといっしょだっけ? 詳しい仕組みについては、物語上説明がありませんでした。

映像で記憶を確認でます。主人公リアムは空港での搭乗で、記憶のチェックを受けていました(1週間、半年のデータだったかな。数倍速の速さで、映像を確認する)。その際、「記憶に削除はありませんね」のようなことを言われます。
これでは、まったくプライベートがないですね。でもこれなら犯罪者は絶対に飛行機に乗れないでしょう。それとも、何か抜け穴があるのだろうか? それだけでもドラマが作れそうですね(このテクノロジーの仕組み的に、抜け穴とかもあるのだろうね。そのためにはきちんと設定していないといけないけれど)。

犯罪抑止という点では、記憶が映像に残るという点は良いかもしれないですね。冤罪もなくなるだろうし。しかし、カメラの位置は眼の高さになるのか? 眼に映らないように、窃盗とかしたらわからなさそう。「逆に映像ばかり信用して、窃盗などの犯罪が増えそう」とも思います。そんなことは対策するかな。
今にないテクノロジーを物語に使うと、社会のルールそのものが変わっていくから、物語を作るのが大変ですね。

物語の中盤でリアムは、ジョナスという男を襲います。その恋人が警察を呼ぼうとするのですが、その恋人は記憶を残すためのチップを埋め込んでいませんでした。ジョナスの恋人はまったく警察に相手にされないのです。
記憶の映像が証拠として使われる世界では、記憶を残していない人の人権は制限されてしまうようです。ということは貧困でチップが埋め込めない人はまったく人として扱われない可能性すらありますね(やっていない証拠も残せないでしょうし)。それとも今のスマホのように、「ないと働くことすらほぼできないから」という理由で無理してでも手に入れるのかもしれません。

記憶を外部に出力できることによって、社会のルールは大きく変わります。テクノロジーが世界を大きく変えたのです。

話題の中心となる映像記憶

記憶を映像として出力できるので、皆で楽しむことができます。
物語では、パーティの席で、男が記憶をモニタに出力して「高級ホテルのカーペットの糸のほつれ具合」を見せ、皆の笑いを誘ってました。
自分の会話を補強する映像資料として、使っています。
映像は拡大、縮小もできるので「糸のほつれ」を詳しく出力機器に表示することも可能です。
物語上では行いませんでしたが、パーティにいた男がリアムの面接(パーティに来る前に勤務している会社で面接していた)を皆で評価しようと言います。
これは、笑い者としてですが(リアムに会話の才能があれば、笑わされるのも可能だと思いますが)、皆で楽しめるといえば楽しめます。

才能があれば、自分の記憶を「YouTube」とかで出力した記憶を流して、人気者になれるかもしれないですね。でも、やはり肖像権がある人とかの記憶映像はモザイクかけないといけないのかな? よく考えてみれば、一回映画とか見たら永遠に頭に残るんですね。現実世界に、記憶が残るチップがあったら著作権関係について制限をかけるのかな?

いろいろ考えていくと、「記憶を映像に残すテクノロジーは、実現不可能ではないかな」なんて思えてきた。技術的にできても、抵抗が強そうだ。

物語のテクノロジーが現実化したら、楽しそうですね。人の人生が見られるなら最高の娯楽のような気がする。とくに有名人の記憶なんて、高値で売れそう。

永遠に残る映像記憶が暴力をうんだ

永遠に残る記憶は犯罪も生みます。

現実世界でも、過去にないとされていたデータが実はあったということがあります。
なぜなかったことにしたかったというと、「隠したい」「見られてはまずい」という事情があったということですよね。
「隠したい」「見られてはまずい」記録を消すには、犯罪を辞さない、という極端な考えに至る人もいるはずです。
この物語では、消したかったのは「隠したい」「見られてはまずい」という事情ではないですが。

リアムは、パーティで出会った妻であるフィオンの元恋人ジョナス(フィオンはリアムにはっきりと元恋人とは言いませんが)から妻の記憶を消そうとして、ジョナスを襲います(ジョナスがパーティで、昔の記憶で自慰をすると明言しているので、気持ちはわかります)。
そして、その記憶を確認して、妻が実は自分と結婚後にも、ジョナスと行為をしていたことを知ります。映像として見られなければ、これは隠し通せたはずです。
同じような境遇にあれば、男であり、女であり、何らかの行動を起こすのではないでしょうか。

記憶が永遠にのこり、しかも映像として見られるとしたら、就職のときとか過去を確認されそうですね。まだ判断がつかない子供の時に犯してしまった犯罪すれすれの行為を見られてしまうかもしれません。記憶が永遠に残らなければ隠し通せるであろう、ほんの出来心の行動で、今の全てを否定される可能性すらあります。

妻の裸の記憶が他の人にもあるとしたら、その記憶を持っている人間をどうにかしたいと思う人も多いでしょう。
そして、どうにかして消したい過去もあるでしょう。

もし、記憶が映像として残らなかったら、リアムはジョナスを襲わなかったでしょうし(存在としては嫌でしょうが)、妻の真実を知って傷つくこともなかったでしょう(隠すことがいいことなのか、どうかはわかりませんが)。暴力は生まれなかったはずです。

テクノロジーが行動する理由をつくる

人は自分の行動は、自分の意志において決断しているはずです。
しかし、その行動を促す、きっかけの大部分は外部から与えられているのではないでしょうか。

新しいテクノロジーは、今までになかった外部刺激を人に与えます。

この物語でいえば、「記憶が共有できる」は良い外部刺激を与えるものとして使えますし、犯罪抑止も良い面と言えるでしょう。
しかし、消せない記憶をもつということは(厳密には消せるのですが、空港の確認を考えると、消すことは何か隠していると邪推される可能性があります)、その記憶を消したいと思う人にとっては、「暴力的にその記憶を消す」という行動を促す外部刺激にもなりえます。

人間は、外部の刺激に動かされています。
自分の意志で動いていると思っていながら、しかしその行動をするきっかけを与えた刺激が、他者が作為的に作り出したものだとしたら、その行動は自分の意志と言えるでしょうか。

わたしたちに意志なんてものはなく、身近に使われているテクノロジーが全て行動を支配しているのかもしれません。少々極端ではありますが。

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