【感想】映画『マン・オブ・スティール』破壊された街を歩く敵二人の場面がやたら格好良い!
「スーパーマン」という、ヒーローの誕生から、敵を倒すまで、2時間20分くらいの映画なのに、うまくまとめたな、と思いました。最後の戦いはもう少し長くてもいいとは思ったけど。
一番思ったのは、映像がすごい。最後都市が破壊されるのですが、見事に壊れていて、見応えがある絵でした。
『マン・オブ・スティール』物語作りに役立つところ
設定の説明の仕方がうまいな、と思いました。
まず赤ん坊が生まれる場面から始まるのですが、すぐそれが「スーパーマン」とわかります。そして、そこがどうやら地球とは別の場所と。「スーパーマンって宇宙人なのか」と思いました。
この導入、アクションとかあって飽きないですが、主人公が出てこないわけで、少し長いなと思いました。まあ、これでなんとなく「スーパーマン」が強いということの、説得力になります。宇宙人ですからね。
スーパーマン(劇中でほとんどスーパーマンとは呼ばれませんが)、地球名クラーク(ヘンリー・カヴィル)が大人になって出てきて、人助けをします。その過程の中で、過去が語れます(幼少期、周りに馴染めないクラーク)。別の回想では、父との思い出、自分が地球人じゃないと知る場面とか。
そのあと、クラークの種族(クリンプトン)の宇宙船に入ると、データとして残った本当の父が色々教えてくれます。
物語の前半は、色々と設定の説明に費やされていますが、現代のクラークの動きを追いながら、うまく過去のエピソードを入れているのであまり説明くささがないです。
クラークを追う、新聞記者ロイス・レイン(エイミー・アダムス)との会話で、クラークがなぜ自分強さを隠すのか、を話します。
自然な感じで説明してくれるんですよね。
キャラクターが複数いれば、会話の機会が増えて、視聴者への説明もわざとらしくなくなりますね。説明だけのキャラクターを出したら、わざとらしいですが。
この時点で、コデックスという重要なアイテムについては説明されませんが、それは後々わかります。
『マン・オブ・スティール』物語のあらすじ
ほぼ壊滅状態にあった惑星から、ジョー・エル(ラッセル・クロウ)は種族存続の望みを託し、息子を居住可能惑星(地球が選ばれる)に送ろうとします。ジョーと元老院との会話の途中で、クーデターを企むゾッド将軍(マイケル・シャノン)が現れ、元老院の人たちを殺します。
逃げ出した、ジョーはなんとか逃げ延び、コデックスを入手し、住み処に戻り、赤ん坊を地球に送ります。
身分を偽りながら、色々な仕事をするクラーク。自分のルーツとなるものがある、という噂を聞き、そこに向かう。そこには、クリンプトンの宇宙船があった。そして、父のデータも。
その宇宙船を動かすことによって、惑星消滅から生き残ったゾッド隊長らに、クラークが地球にいることが知られてしまう。
ゾッドはクラークを渡すことを要求する。
地球を救うためには、クラークがゾッドたちに捕まらないといけない。しかし、ゾッドは信用できない。
悩む、クラーク。
クラークが選ぶのは、捕まる、捕まらない、どっちか?
『マン・オブ・スティール』まとめ:物語の構造
ハリウッドのヒーローものは脚本がすごいなと思う。約二時間で、ヒーローの背景を説明し(この映画だとSF要素も)、物語としても盛り上げなくてはいけない。
この映画は、そこらへんがすごくうまくできていると思う。
冒頭二十分くらい主人公が出てこないのは、なかなか冒険だと思うけど。
ヒーローものだと、シリーズを意識してか、適役が小物だったりすることもあるけど、この映画はそれもないし。
冒頭二十分くらいは、物語のプロローグ。主人公の誕生と、なぜ地球に来なければならなかったのか。
ジョーとゾッドの争いで、派手なアクションで見せる。コデックスの説明を全くしないのは意識的かな。この重要な謎が「いつわかるんだ」と思いながら、続きを見ていた感じもある。
一時間くらい、主人公の紹介。自分探し。週刊マンガだったら、ここら辺じっくりやりそう。結構簡単に自分のルーツがわかる宇宙船探してしまうし。
「回想」で見せている。いきなり大人になったスーパーマンが現れるから、「過去はどう過ごしたの」と気になる。それを知りたい、と思うから、先が見たいと思う。謎で引っ張ってますね。ミステリー的かね。でも、コデックスのことはまだわからない。
ラスト一時間で敵対者登場、そしてバトル。
こうやってみると、ラスト一時間に結構詰め込んでいるね。
ラストは謎でなくて、アクションで見せる。捕まったり、戦ったり。コデックスの謎もわかる。
このラストの一連だけで、いわゆる序破急がありそうである。
地球人と対立と和解とかもあるし。
第一章、第二章、ときれいに分けられる映画だね。
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